耐火被覆材
耐火被覆材は、吹付けタイプ、巻付けタイプがあります。
ともに耐火・耐熱性に優れるロックウールを素材とした商品です。
吹付けロックウール耐火被覆材
吹付けロックウールとは
吹付けロックウールは、ロックウール粒状綿を主原料とし、セメントを硬化材として、専用の吹付け機を用いて鉄骨などの下地に吹付けます。一定の被覆層をつくる有機物を含まない現場施工の不燃製品です。(不燃認定番号:NM-8601)
耐火・断熱・吸音性に優れさまざまな用途に使用されています。
吹付けロックウール被覆耐火構造の認定について
耐火構造の認定は、平成12年の「建築基準法の一部改正」によって、平成14年5月より、ロックウール工業会の通則的指定(仕様規定)から、会員10社の連名による個別的認定(性能規定)へと移行しました。
吹付けロックウールの特長
施工性が良い
ロックウール(粒状綿)とセメントを材料としているので、軽量で、施工性に優れています。
現場吹付け施工なので、複雑な形状にも容易に適用でき、継ぎ目のない連続した被覆層が形成できます。
施工・乾燥がともに速く、高層階への圧送もできるので、工期の短縮となり経済的です。
耐火性に優れる
鉄骨は火災時の熱に弱く350〜500℃以上になると次第に軟化し、建物の荷重によって床が落ちたり、鉄骨が曲がって倒壊するおそれがあります。
耐火被覆材は、火災時における人命の保護、建築物の安全確保のため鉄骨を火災時の熱から守り、極めて重要な役割・使命があります。
吹付けロックウールは、不燃材料で、耐火性に優れており、耐火被覆の代表的なものとなっています。
断熱性に優れる
吹付けロックウールは、さまざまな材質、形状においても継ぎ目なく、必要厚さとかさ比重が確保でき、理想的な断熱性能を発揮します。
吸音性に優れる
吹付けロックウールは、多孔質材料として、優れた吸音特性があります。
設計施工の自由度が高い
吹付け厚さや施工方法により目的に対応した設計施工ができます。
吹付けロックウールの品質管理について
平成14年5月に10社連名(現在7社)の認定を取得し、従来のロックウール工業会通則指定から会員会社の個別認定へ移行しています。
この個別認定への移行に伴って各社の施工品質管理方法に差異が生じることを防止するため、「施工管理担当者講習会」を定期的に開催しています。
吹付けロックウール被覆耐火構造『施工管理担当者講習会』終了のお知らせ
吹付け部会では、2017年度 吹付けロックウール被覆耐火構造『施工管理担当者講習会』を全国15会場において開催したところ約1,900名が受講され、試験に合格された方々に「施工管理担当者証」を発行いたしました。
次回は、更新時期に当たる5年後の2022年度を予定しております。
講習会風景
吹付けロックウールは無石綿です。石綿は一切使用していません。 |
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現在の吹付けロックウールは、原料として石綿(アスベスト)を一切含んでおりません。石綿除去後の耐火被覆および断熱材などの復旧工事に最適な材料です。 |
吹付け関連リンク
詳細は下記の各社ホームページへ(新しいウインドウで表示されます)
巻付け耐火被覆材
巻付け耐火被覆材とは
耐熱ロックウールを基材とした巻付けタイプの耐火被覆材です。発塵も残材も少なく、作業環境を改善します。
他工事との並行作業も可能となり、工期短縮と廃材処理業務の低減を実現します。
巻付け耐火被覆材の特長
巻付け工法の採用が拡大しているのは、巻付け耐火被覆材の持つ性質が、多くの面でメリットがあるからです。巻付け工法が選択される確かな理由は、これからの鉄骨造に求められる条件を満たしているからです。
1.品質安定性
工場製品のため、厚さと密度の品質が安定し、施工後の厚さ・密度の検査が不要です。また、主要成材が無機繊維のため、経年変化もほとんどありません。
2.施工性[工期短縮]
固定ピンによりワンタッチで材料を固定するため、施工は簡単に行えます。乾式工法で水を使用しないため、養生を一切必要としません。また、施工中の発塵がほとんど無いため、他職種との相番作業が可能で、プラントヤードの設置が不要などの現場のコスト低減に寄与できます。
3.軽量
耐火1時間認定(標準鋼材)で、
厚さ20mm品の重さは2.0kg/u程度と軽量で、構造に与える影響がほとんどありません。
巻付け耐火被覆材 標準施工仕様一覧表
2019年9月30日付けで掲載した「巻付け耐火被覆材 標準施工仕様一覧表」を一部修正しましたので、ご活用ください。(2019年12月改訂)
巻付け耐火被覆材の作業をされる皆様へ PDF(72KB)
1.柱の標準施工仕様一覧表 PDF(211KB)
2.はりの標準施工仕様一覧表 PDF(418KB)
3.耐風仕様の標準施工仕様一覧表 PDF(166KB)
4.標準施工仕様一覧表改訂履歴 PDF(94KB)
巻付け耐火被覆材 使用材料早見表
2019年9月30日付けで掲載した「巻付け耐火被覆材 使用材料早見表」のはり〔箱張り〕の表下部に注釈を追記しました。(2019年12月改訂)
固定ピンに関する技術資料
巻付け耐火被覆材の固定ピンに関する技術資料をまとめましたので、ご活用ください。
- 1.固定ピンの溶接強度について PDF(85KB)
- 2.固定ピンカシメ部の強度について PDF(79KB)
- 3.固定ピン溶接部の鉄骨に対する影響について@
(引張試験結果)PDF(235KB) - 4.固定ピン溶接部の鉄骨に対する影響についてA
(ビッカース硬さ試験結果)PDF(210KB)
講習会情報
「巻付け耐火被覆」講習会 開催情報
有効期限2020年3月末日の修了者証をお持ちの方々を対象とした更新講習会は下表のとおり、11会場で終了しました。
ただし、新型コロナウイルス感染症の発症及び拡大の状況を考慮し、関東B(2/29)及び中部A(3/14)の2会場につきましては止む無く開催を延期することといたしました。参加をご予定頂いておりました皆様には開催直前での延期となり、大変ご迷惑をお掛けし申し訳ございません。深くお詫び申し上げます。
なお、延期後の開催日程等につきましては現在のところ未定ですが、確定次第、改めて対象の皆さまにお知らせいたしますので、今しばらくお待ちくださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
※2020年度の新規講習会開催予定につきましても、日程等の詳細が確定次第、本ホームページにてお知らせいたします。
2019年度 更新講習会 一覧表
開催日 | 対象地区 | 開催地 | 実施状況 |
---|---|---|---|
2019年8月3日 | 中四国 | 倉敷市 | 終了 |
2019年8月24日 | 北陸 | 高岡市 | 終了 |
2019年9月14日 | 東北 | 仙台市 | 終了 |
2019年9月28日 | 北海道 | 札幌市 | 終了 |
2019年10月5日 | 関東@ | 台東区 | 終了 |
2019年10月26日 | 関西@ | 摂津市 | 終了 |
2019年11月16日 | 中部@ | 名古屋市 | 終了 |
2019年11月30日 | 九州@ | 福岡市 | 終了 |
2019年12月21日 | 関西A | 摂津市 | 終了 |
2020年1月18日 | 関東A | 台東区 | 終了 |
2020年2月15日 | 九州A | 宮崎市 | 終了 |
2020年2月29日 | 関東B | 台東区 | 延期 |
2020年3月14日 | 中部A | 名古屋市 | 延期 |
【修了者証の有効期限延長のお知らせ】
前述のとおり、新型コロナウイルス感染拡大防止の影響で更新講習会の開催延期の状況が続いておりますが、上記の更新講習会延期2会場で受講申込みをされている方につきましては、更新講習会の再開まで現行修了者証の期限を有効といたします。
関係各位におかれましては、ご理解とご了承の程よろしくお願い申し上げます。
過去に開催した講習会
開催日 | 対象地区 | 開催地 |
---|---|---|
2019年2月 | 関東地区(新規) | さいたま市 |
2018年10月 | 関西地区(新規) | 長岡京市 |
2018年9月 | 九州地区(新規) | 北九州市 |
2018年6月 | 東北地区(新規) | 仙台市 |
2018年4月 | 関東地区(新規) | さいたま市 |
2018年2月 | 中部地区(新規) | 名古屋市 |
2017年11月 | 北海道地区(新規) | 札幌市 |
2017年9月 | 関東地区(新規) | さいたま市 |
2017年8月 | 九州地区(新規) | 北九州市 |
2017年5月 | 関西地区(新規) | 長岡京市 |
2017年3月 | 北陸地区(新規) | 越前市 |
2017年1月 | 関東地区(新規) | さいたま市 |
他、各地区で開催ずみ |
(左上)講習会風景、(左下と右)実技中