大東めぐみのエコ住宅体感レポート vol.1

大東めぐみのエコ住宅体感レポート

「きっかけはあの地震でした」

あれは2011年 3月11日、その当時神奈川にある45階建ての高層マンションに住んでいた我が家は子供達と出かける準備の真っ最中でした。
キッチンにいた私を襲ったのは目眩のような大きな揺れ、突き上げるように、また激しく大きな横揺れも感じ、子供達に机の下に!と大声をあげ私は台所の収納扉を必死に押さえつけていました。

「きっかけはあの地震でした」

激しい揺れがいっとき収まったと同時にバチっという音と共に家中の電源が落ち、一時の静寂がより不気味さを増し、ただ事じゃない、まずは冷静に下のロビーに降りることにしました。

「親子三人で暗闇の中を避難」

長男に防災リュックを背負わせ、私は二歳の次男を体にくくりつけ玄関を出るとそこは真っ暗闇の内廊下。緑の非常口を知らせるわずかな明かりだけで使ったことのない非常階段の扉までたどり着き、これまた真っ暗闇の階段を携帯電話の小さな明かりを頼りに降りたのです。
最近のマンションは天井高がある設計からか一階一階の段数も多く、多分この地震で入ったのであろう壁の亀裂が真横に目に入るたびにゾッとしたのを覚えています。

「肌で感じたライフラインの危機」

「肌で感じたライフラインの危機」

被災された方は覚えてらっしゃるでしょうがあの日の停電はおよそ7時間にも及び、また原子力発電所の停止により関東は深刻な電力不足に陥り、計画停電を余儀なくされました。それが幾度となく繰り返され目の当たりにしたのは私たちがいかに電気に頼って生活していたかということです。電気が来なければエレベーターはおろか、マンションでは水も出ません、まさにライフラインの危機を実感しました。まさにこの経験が今ある我が家を建てるきっかけとなるのです。

「目指せ!高気密・高断熱&ダブル発電のスマートハウス」

その時我が家はまさに土地を買いこれからどんな家を建てようかと住宅雑誌を眺める日々でしたが震災で目の当たりにした電力不足を受けて何より一番に、エネルギー的に自立できる家。高気密、高断熱を叶え、ソーラーとエネファームのダブル発電を併せたスマートハウスを建てようと考えが固まりました。

エネルギーのことを学び始めると今地球が抱える深刻な環境や地球温暖化がリアルに迫っていることも見えて来て環境を整えるだけでなく生活する私たち人間が省エネルギーな生活を送る事が一番大切だという事 も実感しました。省エネはいつも気にはしているものの、どこかの誰かがやってくれているものとしていた事にも気付いたのもこの時です。このままではいけないと痛感したのもこの時だったでしょうか。

「目指せ!高気密・高断熱&ダブル発電のスマートハウス」

「小さな、でも大きな力を持つ我が家が完成!」

「小さな、でも大きな力を持つ我が家が完成!」

さて、家は大きな買い物です。家を建てるにあたり予算の設定をしますが、そこに500万~600万ほどのエネルギー予算を作りました。ソーラーパネル、エネファーム、断熱等級4を満たすための断熱材や複層ガラスのグレードアップも含まれ始まった家づくりですが何度も現地に赴き太陽の角度や通風も重要なエネルギー対策になるのでかなり思案しました。そしてその年の年末に自力発電を叶える、小さな、でも大きな力を持つ我が家が完成したのです。

「電気代はなんと平均8000円の収入に!」

実際に生活を始めて四年、なんと我が家の電気料金は真夏、真冬のそれぞれ二ヶ月程を除き平均2000円で過不足なく充分に快適な生活を保てています。そしてそこにはソーラーが生み出す電気の売電が加わり実質平均プラス8000円程にもなるのです。ソーラーは2.78キロワットの小さなものですが選ぶ際に発熱効率の良い物を探し設置しました。

「電気代はなんと平均8000円の収入に!」

そして最大はエネファーム。家の電力の使用量に併せて最大0・7キロワットを発電し続けてくれる働き者です。これにはエネルギーモニターが付いており、どこで何W発電されそして今、自分達がこの家でどれほどの電力を使っているのか?という事を把握できるこのモニターが家族を節電行動に自然に動かしてくれたとも言えます。

「モニターのおかげで、楽しく学びながらエコを実現」

子供達は特にゲーム感覚でモニターを覗き込みエアコン1台の消費電力なんかを調べ、又、付けっ放しの照明スイッチ一つでも消費電力が変わる事も把握してくれました。そしてまた、快適な生活を送るに辺り我が家はどれほどの電力を必要とするのだろうかという事も主婦の私が日々モニターをチェックして判ってきました。そこには別に我慢などはなく電気製品の使い方など様々なヒントも見つけられる事ができました。
 次回はその辺りもお話していきます。

「限りあるエネルギーに思いやりを寄せる。」

待機電力を含め電気のない生活など考えられない今。できる限り良い状態で次世代へ渡していきたい環境。限りあるエネルギーに思いやりを寄せる事、この地で暮らす我々それぞれが省エネに対する興味を持ち、できる限りの力をつけることが地球と共にsustainable~継続可能な生活を送るための備えとも言えるのではないでしょうか。

エコ住宅体感レポート一覧へ

このページのトップへ戻る